Hope

レールに乗った人生を送りたくない君へ【教卓の向こうの君へ〜14歳の僕へのエール〜】

「レールに乗った生き方」
こんな言葉を聞いたことがあると思う
もしかしたら今、君は
「レールに乗った生き方なんてしたくない」
そう感じているかもしれない

14歳の君にとって
レールに乗った生き方=先祖代々続く教員の道を選ぶこと
レールを外れた生き方=教員以外の道を選ぶこと
そう考えているよね

レールに乗った生き方は
たった1つの条件を受け入れれば
安泰な生き方ができる
いい高校に行って
いい大学を出て
いい企業に勤めたり、公務員になる
大人から言われたことに愚直に取り組めば
比較的再現性高く実現できる
受け入れなければいけないたった1つの条件
それは
レールの先にある人生を自分が受け入れることだ

食いっぱぐれることはないかもしれない
家族と一緒に過ごせるかもしれない
小さい頃に思い描いた自分ではないかもしれない
やりたいことではないかもしれない
安心を得て生きていくことができる
それはある意味幸せな人生なのかもしれない

レールのある人生に
その人自身の真剣な思考はないんだと思う

22歳、生きる道を決める時期の君は
人生のレールに乗ることも
人生のレールを外れることも
どちらもできなかった
気づいたら目の前にレールはなかった

勉強は得意だったから
高校は地域の進学校
大学は旧帝大の教育学部に進んだ
君の頭の中にあったのは
まだ人生の進む道が決まらない
だから進む選択肢が多い道を選ぶこと

そして大学3年の冬
たくさんある選択肢を吟味することなく
ただのうのうと生きていた君は
今まで拒絶していたはずの
とりあえず乗っていたはずのレールが
自分の目の前から消え去っていることに気づいた
真剣に自分の人生と向き合わなかったから

君が考えている
人生のレールというのは気づいた時には
目の前から消え去っていて
そのさきの人生の選び方は誰も教えてくれないものなんだ
自分の人生の道を選ぶというのは
君が力を発揮できる100点満点のテストとは違って
答えなんてものはなく
その時その時の自分が真剣に悩み考え、
苦しみ決断していくものなんだ
何かを1つを選ぶということは
そのほかの選択肢を全て捨てることになる
本当に怖くて勇気のいるものなんだ

でもそれは当然
君の人生の責任をとれるのは誰?
君の家族?親友?恩師?それとも務める会社?
違うよね。
君の人生の最終責任者はいつでも君自身なんだ
だからこそ14歳の君には今から考えてほしい

自分はどんな人生を送りたいか
どんなことで生きていく道を選びたいか
それを探るためには視野を広げる必要がある

学校と家の行き来しかない生活の中
視野を広げることは本当に難しい
だからまずは思いっきり勉強する
思いっきり部活にのめり込む
恵まれた君には練習する環境があるでしょ?
努力を積み重ねる癖をつけるんだ

お笑い芸人になりたいと言いながら
心のどこかでどうせなれないって考えている君
ネタを書いてオーディションに参加しなさい
落ちたってスベったってボロクソに言われたって
やってみた君にしか見えない景色がそこにはある
人生はうまくいかなかった経験は
次の挑戦をするときの原動力になる
違う選択肢を試すきっかけになる

人生のレールは勝手に敷かれるものじゃない
他人の人生に親切にレールを敷いてくれる暇人はいない
そもそもレールなんて存在しないんだ
まっさらな砂漠を進む様なもの
自分で汗をかき、怪我をし、時には涙しながら
自分自身で歩いていくもの
後ろを振り返るとその足跡はぐにゃぐにゃと不恰好で
時には別れ道や行き止まりがある
他人から見たらとても褒められるようには見えない
君にしか進むことができない唯一無二の旅路である
君にしか理解できない美しさがある

どんな道であっても
しっかり前を向いて進め
今の自分のベストを尽くせ
それが君の進むべき道

「上を見ないと虹を見ることはできない」
チャールズ・チャップリンの言葉です。

何を選ぶかが大切なんじゃない
どの道を選んだかが大切なんじゃない
選んだものに対してどれだけ力を注げたかが大切なんだ
選んだ道をどう進んだかが大切なんだ
進んだ道でやり切ったと思えるなら
これ以上のことができないと思ったなら
厳しくても新しい道を選んで突き進めばいい
これから進む先に私はいないかもしれない
君が自分自身の人生と真剣に向き合ったからだろう
君が同じ道を辿り私になったとしたら
君の歩んだ道を後悔せず
後ろ指を刺されても気にするな
そいつは自分の人生を進んでいないから後ろにいるんだ
共に突き進もう
私にしか歩めない唯一無二の人生を